旅客機まとめ

ひとくちに航空機と言ってもいろんな種類がある。人が乗る有人機と乗らない無人機。エンジンのついてる動力機とついてない滑空機。軍用の軍用機と非軍用の民間機。旅客を目的とした旅客機と貨物を載せるための貨物機。

数ある航空機の中で有人エンジン付き非軍用旅客機をリストアップしてみた。

これらの条件を満たす有史以来に作られた航空機はかなり多岐に渡るため、2017年現在製造中、もしくは発注可能なものを中心に日常的に運用されている機を取り上げた。

Boeing 737MAX / 737NG

初期型のデビューから約半世紀経ったいまも最前線で走り続ける超ベストセラー機。1967年から製造されている初期型(737-100/737-200)はターボジェットエンジンに近い低バイパス比ターボファンエンジンだったが改良が加えられ、現在は高バイパスターボファンエンジンを積んでいる。リージョナルジェット機を除くと最もコンパクトなナローボディターボファン機と言える。

座席は 110~215名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
エンジン
  • CFM CFM56-7B(737NG)
  • CFM LEAP-1B(737MAX)
主なライバル機 Airbus A320neo、Tupolev Tu-204

Airbus A320neo

Boeing 737NGシリーズのライバル機と言えるのがエアバスの A320ファミリー。デビューは 1987年と Boeing 737 より 20年遅れたが、優れたエンジン(V2500)を搭載できることもあって世界各国の格安航空会社を中心に非常に人気が高い。

座席は 107(短胴型の A319)~220(長胴型の A321)名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
エンジン
  • CFM CFM56-5(320ceo)
  • IAE V2500(320ceo)
  • CFM LEAP-1A(320neo)
  • P&W PW1100G-JM(320neo)
主なライバル機 Boeing 737MAX / 737NG、Tupolev Tu-204

Tupolev Tu-204

米国ボーイング、欧州エアバスと来れば相応のロシア機もあると考えてよい。Boeing 737NG、Airbus A320neo と同等クラスと言えるのはツポレフ Tu-204 でデビューは A320 の少し後、1994年のことだ。

Tu-204 は双発機だがそのエンジン、ソロヴィーヨフ(現アヴィアドヴィガーテリ、旧ペルミ・エンジン工場)PS-90A はイリユーシンの 4発機、Il-96 に搭載されているものとほぼ同じ。ロシア機はこの手のコスト削減アイデアがすばらしい。2018年までに 85機が製造された。

長胴型の Tu-214 がカザン工場で 17機だけ製造された。

座席は 142~210名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
エンジン
  • Soloviyov PS-90A
  • RR RB211
主なライバル機 Boeing 737NG、Airbus A320neo

UAC MS-21

Tu-204の後継機。Yak-242 として開発されていた機体。英語表記は MS-21 だがロシア語の "S" の表記が英語の "C" と似てるため英語圏で MC-21 と呼ばれることもあり(本来は誤表記)、これに合わせて MC-21 と紹介されることもある。

座席は 135(MS-21-200)~230(MS-21-400)名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
エンジン
  • Aviadvigatel PD-14
  • P&W PW1400G
主なライバル機 Boeing 737NG、Airbus A320neo

Boeing 757

現行機でなく、日本の航空会社が採用しなかったので馴染みが薄いが、Boeing 757 も隠れたヒット作と言える。Boeing 737 と同じサイズの胴体を長胴化して Boeing 767 の主翼とほぼ同スペックのエンジンを使うという一見、流用品を組み合わせた機体だが、サイズ的に米国の国内線で使いやすさかったこともあり、合計1,050機が作られた。これは Boeing 767 の製造数にほぼ匹敵する。

最大で 280名という座席数にも関わらず、3-3配列のナローボディとした理由の一つにマンハッタンからアクセスの良いニューヨークのラガーディア空港がナローボディ機しか乗り入れを認めておらず、需要の多いラガーディア発着便で使える点が大きなセールスメリットだったと考えられる。

座席は 200~280名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼

Boeing 767

近頃は新型機 Boeing 787 の製造が進み、一世代前の機と感じられる Boeing 767 だが使いやすいサイズと経済性(燃費ではなく機材の販売額やメンテナンスコストなど)から世界各国の航空会社には人気がある。時代的に双発機の洋上飛行の制限も減ったために国際線でも使いやすくいまも最小サイズのワイドボディ機として活躍している。

3-3配列のナローボディ機Boeing 757 より少し太いだけの胴体だがワイドボディとすることで 2-3-2配列を実現しており、これによって乗客から人気がないミドルマン席(窓にも通路にも面して居ない座席)が割合的に減る。

サイズ的な使いやすさもあって、貨物機需要が多く、退役した旅客型の多くが貨物機にコンバートされて第二の機生を全うしている。

座席は 281~375名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
胴体最大幅 5.03m
主なライバル機 Boeing 787、Airbus A330

Boeing 787

Boeing 767 の実質的な後継機。Boeing 757 の直接的な後継機は作られてないのでワイドボディ機である点が異なるが後継機とも言える。

複合材を多用した軽いボディ、効率の良いエンジン、最新の空力解析などを使ったことで非常に燃費の良い機体になった。しかし発注数が多いために製造が間に合わず、旧来機の 767 も並行して受注、生産を続けた。

座席は 3-3-3配列、もしくは 2-4-2配列で 210~330名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
胴体最大幅 5.74m
主なライバル機 Boeing 767、Airbus A330

Airbus A330

Boeing 767 の同規模ライバル機がエアバス A330 になる。ワイドボディ、2-4-2配列の座席を備え、経済性に優れている。胴体サイズは先代A300 と同じで長胴化することで座席数を増やしている。また後述 Airbus A340 は胴体から主翼までほぼすべてを共有する機体で、外観からは A330 が双発機、A340 が 4発機という違いしかわからない。

座席は 2-4-2配列で 253~335名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
胴体最大幅 5.64m
主なライバル機 Boeing 767、Boeing 787

Airbus A340

双発機の Airbus A330 を 4発機にしたのが Airbus A340 だ。いまでは双発機でも洋上飛行の制限は少ないが、開発が始まった当初は双発機の洋上飛行制限があり、国際線では 3発機や 4発機の需要があった。A340 はまったく新しく開発するのではなく、A300 をベースとして双発機の A330 とほぼすべてを共有することで開発コストを抑えた。A330 ほどセールスは無かったが A340 でしか営業できない路線などもあってヨーロッパの航空会社で採用するところが多かった。

座席は 239~440名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
胴体最大幅 5.64m
主なライバル機 Ilyushin Il-96

Ilyushin Il-96

Airbus A340 に匹敵するロシア機がイリユーシン Il-96 である。非常に幅の広いワイドボディに 4発ターボファンエンジンを搭載し、モノクラスであれば A340 を超える 435名分の座席を搭載できる。エンジンは Tupolev Tu-204 とほぼ同じ仕様のものを 2倍の 4発搭載している。セールスに失敗し、30機弱を製造した時点で旅客型の受注は終了した。

座席は 2-4-2配列で 235~435名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
胴体最大幅 6.08m
主なライバル機 Airbus A340

Boeing 777

座席は 300~550名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
胴体最大幅 6.19m
主なライバル機 Airbus A350XWB

Airbus A350XWB

座席は 270~412名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
胴体最大幅 5.96m
主なライバル機 Boeing B777

Boeing 747

通称ジャンボジェット。非常に人気のある機体だが基本設計が古く燃費で双発機にかなわないため旅客需要はほとんど無い。いまは貨物機としての需要が多い。

旅客用のイメージがあるが、元々は貨物機として設計していた機体を旅客用に流用したものなので、貨物機として使われるのは原点回帰と言える。

日本の航空会社で旅客用の運用は終わっているが、貨物専門の航空会社、NCA(日本航空貨物)で多数の機体が活躍している。

21世紀に入ると燃費の良い双発機で世界中を飛べるようになったこともあり、運行コストが高くなる 4発機の需要はなくなり、最終進化系の -8F、-8I はあまり引き合いがないまま 2023年1月に貨物専門の航空会社アトラスエア(-8F)向けの出荷を最後に生産が終了した。

座席は 416~467名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
胴体最大幅 6.49m
主なライバル機 Airbus A380

Airbus A380

ボーイング747 のライバルに位置づけられる 4発機だが、すでに世の中は燃費効率の良い双発機の時代となっており、燃費を気にせず運行できる中東の航空会社(UEAドバイのエミレーツ航空、UEAアブダビのエティハド航空など)以外の需要はほとんどなく、ライバルのボーイング747 より先の 2020年6月に生産を終えた。

日本ではスカイマーク航空が 6機を発注し、うち 2機の製造もほぼ終わっていたものの、エアバス側がスカイマークの経営状態では与信できない(与信を取れるだけのスポンサーを付けるように要求してきた)として機体の引き渡しを拒否し、けっきょくスカイマークはそのまま資金不足で経営破綻したので実際に引き渡されなかった。製造が進んでいた機体はエミレーツ航空が引き取った。(結果としてはエアバスは与信を正しく査定しており、世界中で導入した航空会社はいずれも各国のフラッグキャリアクラスばかりだった。もしスカイマークが受領していたら世界で唯一の A380 を運行する格安航空会社となるところだった)

スカイマークのキャンセルにより発生した違約金は、親会社(スポンサーとして破綻したスカイマークを買収した)の全日空(ANA)が肩代わりすることになり、その一環として全日空から新たに 3機が発注された。フライングホヌという特別カラーで運行され、もっぱら東京(成田、羽田)~ホノルル間の観光輸送に特化する。

座席は約400~853名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
胴体最大幅 6.58m
主なライバル機 Boeing 747

EMBRAER E-Jet

座席は ~名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼

Mitsubishi MRJ

座席は ~名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼

Bombardier CRJ

座席は ~名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼

Airbus A220

元Bombardier Cシリーズ。CS100 は A220-100、CS300 は A220-300 と改名された。(Cシリーズとして数台が出荷済み)

座席は 100~150名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼

Sukhoi Superjet 100

座席は ~名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼

COMAC ARJ21

中国初の実用的な商用中国産旅客機。2016年、商業飛行を開始した。

設計は新しいが、MD-90 のライセンス生産で使用した治具を流用しているため外見を含め、MD-90 と類似している。エンジンは GE のものを搭載する。

座席は 78~90名。

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼

Bombardier Q400

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他(主翼付近)
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼

ATR42 / ATR72

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他(主翼付近)
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼
胴体最大幅 2.57m(客室内幅)

Ilyushin Il-114

ボディ ナローボディ / ワイドボディ
エンジン 高バイパスターボファン / ターボジェット / ターボプロップ / その他
単発 / 双発 / 3発 / 4発 / その他
主翼下 / 胴体後部 / その他(主翼付近)
主翼 低翼・後退翼 / 低翼・直線翼 / 高翼・後退翼 / 低翼・直線翼

de Havilland Canada DHC-6

de Havilland Canada DHC-2